先日久しぶりにギャラリーで、東香里園町の家の打ち合わせがありました。
現在工事真っ最中の東香里園町の家。現場打ち合わせが多い中、
「じっくりと落ち着いて決めていただきたいので」と交久瀬先生が用意していたのは照明のカタログの山!
今日の打ち合わせは照明選びのようです。
建築家との家づくりでは建築家がその土地、その家族の暮らしに合わせて設計する注文住宅のため、同じ家はひとつとしてありません。そして照明もまた家やそこにすむ家族、暮らし方によって変わってきます。
(Photo:小さい光庭のある三角形の家/交久瀬常浩より >>WORKSはこちら)
IFAでは部屋全体を照らすシーリングライトはあまり使いません。
部屋の隅々まで明るく照らしてしまうため、影が生まれず奥行きのないのっぺりとした空間になってしまうからです。
多く使うのはダウンライトやブラケット。
その数や配置は、その空間での目的やすごし方に合わせて設計していきます。
照明器具もダイニングなど家族が集まり家の中でもメインとなる空間には、アクセントになるペンダントライトを取り入たり、逆に個室や階段室、洗面所などの空間にはコストや機能を重視したものを使うなどメリハリをつけて考えていきます。
(ダイニングキッチンの中心、目をひくペンダントライトはMAYUHANA。デザインは建築家・伊藤豊雄です。繭から糸をつむぐように型に意図を巻きながらつくられたこの照明の下にはダイニングテーブルが置かれます。かつてのぼんぼりを思わせるやらかな光が、食卓を彩ります。 Photo:公園の森に浮かぶ黒船/交久瀬常浩より >>WORKSはこちら)
限りある予算の中で居心地いい空間になるよう、工夫をしながら建築家とお施主様、一緒にじっくりと照明を選ばれていました。
LEDがずいぶんと普及し選ばれる方も多いですが、料理をよりおいしく魅せるハロゲン球の良さや白熱球が照らす温かなあかりなど、機能だけではない照明デザインの魅力も教えてくれる交久瀬先生。
打ち合わせというより、建築家・交久瀬先生による照明の授業のよう。
真剣に聞かれるお施主様の姿が印象的でした。
(ギャラリーのカウンター照明にもハロゲン球を取り入れています。照度を落としバーを思わせるような落ち着いた空間に。テーブルの上には北欧インテリアの名作、ポール・ヘニングセンのph5。)
今度は実物を見にショールームへいかれるそう。
どんな照明を選ばれるのか、とても楽しみです。