かみひこうきのいえ-柔らかな光と風に包まれる浮遊感のあるすまい-
かみひこうきのいえ-柔らかな光と風に包まれる浮遊感のあるすまい-
約11mのアプローチを持つ、前面道路より少し奥まった旗竿地かつ不整形である個性的な敷地での家づくりです。
「アプローチから玄関土間までをフラットに」、「できる限り1階で家族の生活を完結したい」とのご要望を受けて、平屋に近い住まいを計画することとなりました。1階に生活動線のボリュームを確保するため、敷地いっぱいに建てた台形形状となりましたが、敷地に沿った不整形なLDKや中庭が生まれ、この場所ならではの特性を捉えた面白い家になったと思います。
家の中心にある、季節を問わず穏やかな光と風が入る中庭へ向かうような形で、リビング・ダイニング・寝室を配置しています。特にキッチンとダイニングは敷地形状に沿って少し角度を持たせることで、空間の視覚的なアクセントとなり、ちょうど東からの朝日を感じられるスペースとして、ご家族の食卓に彩りを与えるゆったりとした空間となりました。
また、リビング上部の台形吹抜けにある北側ハイサイド窓からは、やわらかい間接的な光を取り入れることができ、1日を通して穏やかな光が差し込む心地よい空間となりました。階段ホール・2階子供室共に吹抜けに面しており、LDKと繋がりをもたせ、どこにいても家族の気配を感じることができます。
仕上げの素材や色合いはご家族の優しい雰囲気から着想を得て、柔らかくも家族の個性を表現できる色味でまとめています。外観は木部をブルーグレーの板張りと素地色の破風板をアクセントとしてデザインし、室内も栗・杉・タモというグレー味を含んだ素材を使い分け、壁には淡い小豆色のポーターズペイントを着色することで、全体的に軽快で柔らかな雰囲気になりました。玄関から末広がりに見え、少し芒洋(ぼうよう)になりがちなLDKはフローリングの貼り方向に変化を持たせ、天井・壁面を板貼りとすることで空間にアクセントを、浮遊感のある照明器具や角度を持たせた杉の階段でリズミカルな印象をもたらしています。
光や風が心地よく、ご家族の個性が滲むような住まいができました。
注文住宅