プロデューサーの樋口です。
この度、枚方高校開校60周年記念事業の一環として関わらせていただいておりました国際交流スペースが完成を迎えました。
OB会総会にて挨拶及び趣意説明をさせていただき、その後のお披露目会にて校長先生へ鍵を贈呈させていただきました。
当初は古いガラスの展示ケースに代わる安全な展示ケースを提案して欲しいという要請でしたが、検討を進める内に展示ケースを含めた空間を提案したいと強く思うようになりました。
私自身が高校生の頃、デザインされた建築空間に触れたという記憶がほぼないことに気付き、身近にそのような場所が学校にあったら、10代の感性にどれだけ響くだろうか…と何だかわくわくしてきまして、スケッチを描いて申し出たのが本計画の起こりでした。
学校側も寛容に受け入れてくださり、IFAスタッフ有志で壁に漆喰を施工したり、木部の塗装をしたりと苦労もありましたが、無事完成と相成りました。
大容量になった展示棚には生徒の活動実績をたくさん飾っていただきたいと思います。
手前の飾り棚には華道部や美術部の皆さんの定期的な活動発表の場となる展示を期待しています。
ベンチには建築の梁材として用いる厚み100mmの無垢の松材を使用しました。
しっとりした本物の木の質感に触れて、手触りが記憶に残るという体験をしてもらいたいと思います。
ベンチ側の壁面上部は生徒が自由に写真やメッセージを貼れるような、遊び心ある使い方ができるような余白としました。
国際交流スペースとして様々な交流を生むと共に、自身を取り巻く環境への関心を高め、創造力を養う契機となるような場となればと想いを込めています。
他校との違いを生み出す枚方高校独自の特色ある空間として、未来に受け継がれていくことを願っております。