IFAの建築家によるエッセイです。
今回は建築家・井上昌彦氏が影響を受けた建築について綴っていただきました。
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復活礼拝堂は、フィンランド最古の趣き深い都市トゥルクの森の中に静かに佇んでいます。設計は1891年トゥルク生まれのエリック・ブリュッグマン。
彼は同時代の国民的建築家であるアアルトの影に隠れた存在の建築家ですが、慎ましやかで端正で堅実なデザインをするこの建築家の方が私の好みです。
身廊は半ヴォールト状の高い天井で薄明るい光が漂い、正面の祭壇はニッチ状の側面の窓からの光で美しく輝きます。
側廊は天井を低く抑え、南側に大きな窓で森に開かれています。
日本建築の軒先縁側を思わせます。
幻想的な無常の光に包まる浮遊感、森と無限につながるような永遠性をもつこの空間にはこの世ではない時が流れているようで、心が震える感動的な体験をしました。
文:井上昌彦/IFA住宅設計通信85号 建築家エッセイより
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光の入り方・風の流れ・灯りの配し方・周囲環境や建物との関係性・・・
IFAと一緒に家づくりを行う建築家は机上で学ぶだけではなく、様々な時代の名建築に実際に訪れ、空間体験を通して「どのような空間を心地よいと感じるのか」模索を重ね、家づくりへと昇華されています。
このエッセイを書いていただいた建築家・井上氏も参加する第11回建築家展を、本日2月25日・26日の2日間に渡り、枚方T-SITE・7階にて開催いたします。
約4年ぶり!となる建築家展。
展示の雰囲気がガラッと変わり、8組9名の建築家による作品展示に加えて、家づくりの参考にしていただける様々なセミナーやトークショーを企画しています。
詳細はイベントページをご覧ください→
会場では、建築家から直接、事例解説や設計の想いを聞いていただけ、家づくりのご相談も可能です。
この機会に建築家との家づくりの魅力に触れてみてください。(中井)