桜咲く気持ちの良い季節に、学生時代の友人の結婚式に招かれて、久し振りに東京へ行く機会がありました。
式場はジョサイア・コンドル(※)設計の網町三井倶楽部。
会員制の会場で、普段気軽には立ち入れない場所なので、過去一度も建築行脚リストに加わる事もなく、全くノーマークでした。
六本木や麻布界隈の各国大使館が隣接するロケーションで、東京都心の喧騒からは無縁の緑あふれる静かな環境に驚きます。
友人を祝う目的に加え、歴史上の要人達を迎え入れてきたであろう由緒ある建築も堪能できるという二度美味しい粋な式場設定に、庭園の花見も加えて贅沢な時間を過ごすことが出来ました。友人に感謝。
人の多い東京都心には住めないなといつも思うのですが、こうした落ち着いた風情の残る街区で、例えば古いアパートメントをリノベーションして暮らせるなら、それは楽しそうだなと妄想してみるのでした。
丁度、古いけれど雰囲気のあるマンションがあったので、帰って調べてみると、
築57年、60~70㎡の専有面積で5,000~6,000万円の相場とありました。
再開発を見越した値上がり現象もありそうな気がしますが、それにしてもごめんなさい、
浅はかな妄想は跡形もなく消しておきます。(プロデューサー樋口)
※ジョサイア・コンドル
明治の創成期に政府の要請を請けて現在の東京大学へ教員としてイギリスより来日。
数々の洋館を設計。丸の内オフィス街の基本構想などにも携わります。
東京駅を設計した辰野金吾、赤坂迎賓館を設計した片山東熊など、後に日本建築界をリードする建築家を育成した人物として知られます。