秋らしく過ごしやすい季節になりましたね。
先日、IFA住宅設計通信の記事用写真を撮るために、池畔の池(池のほとりの家)の現場にお邪魔してきました。
現場はY様ご家族によるしっくい壁の塗装の真っ最中。
ちょうど作業をされていたので、少し体験させていただきました。
まずは大工さんが仕上げた石膏ボートの継ぎ目やビス穴を埋めていきます。
そしていよいよ塗り作業に。一度薄く全面に塗り、表面が乾燥して半乾きになったタイミングでもう一度重ね塗りをして完成です。
奥様から「せっかくですし、一面塗りますか?」とおっしゃっていただけたのですが、初心者の私。恐れ多いので、まずはビス穴埋めをさせていただきました(笑)
奥様に見本を見せていただくと、手馴れたコテ使い。ビス頭が見えなくなるようざっくり塗って、金ゴテで下から救い上げるように、石膏ボードの表面に残る漆喰がなるべく薄くなるようにするのがポイント、と教えていただきました。ちゃんとできているのか・・・とても緊張しましたが、作業をはじめると楽しく、あっという間に時間が過ぎていきました。
日本で漆喰といえば、お城や蔵の壁のように平滑にピシッと仕上げることが多いですが、イタリアやフランスなどヨーロッパでは、繊細で美しい漆喰磨きもあれば、模様をいれたり、住人がDIYで塗装する手触り感のあるものなど様々な仕上げがあります。
Y様は最後の仕上げに食器用のスポンジで模様づけ。
味わいある壁になっていましたよ。
設計の岡本先生からもこんなコメントが。
「人の手が入る、つまり手入れすることは、家という「物」をただ単に整備したり修理したりするだけでなく、愛着が深まり「心」と家がつながっていく、という意味があると思います。」
まさにその通り。永きに渡って住まうには、愛着をもてることがなにより一番大切です。
同じく施主塗装で仕上げた漆喰壁、陰影が美しい。
ワビサビハウス/枚方市岡山手町(設計:藤森大作)>>WORKSをみる
漆喰壁の空間はクロス仕上げに比べると重厚感があり、空間の魅力がぐっと引き立ちます。
塗面積が広いので根気のいる作業ですが完成まであと少し! Y様、頑張ってください。
アシスタント中井彰子