9月の爽やかな昼下がり。
気持ちよくうたた寝を、いや、仕事をしているところに一通のメールが届いた。「『建築と紅葉』というテーマで建築家エッセイを書いてくださいね~」とお気楽な、いや、真剣な依頼。
有難く依頼を受けたのは良いものの、「建築と紅葉って何?」「何か関係あったっけ?」と書き始めていきなり躓きと戸惑いの狭間に立たされた。
さて、どうこじつけよう。否、どう関連性を持たそう。
京都で紅葉と言えば嵐山を筆頭に、かわらけ投げも楽しめる神護寺、桜の季節も美しい真如堂、見返り阿弥陀で有名な永観堂等々枚挙に暇がありません。
そんな中で個人的にお薦めなのが、真如堂にほど近い金戒光明寺。いわゆる「くろ谷さん」です。観光シーズンには稀に山門に登ることも可能で、京都市内を一望出来ます。
くろ谷は桜も紅葉も美しい隠れスポットですが、その山門は近くの知恩院にも負けない迫力と荘厳さを持っています。もし登ることが出来ましたら、天井絵の龍を眺めるのも良いですが、是非その屋根の造形を観察してみてください。
無柱で約3m程せり出している造形を見た時、きっと昔の人の技術力と知恵に驚嘆し、建築の奥深さや木造の可能性に触れることが出来ると思います。ちなみに新撰組発祥の地でもあり、敷地内にはアフロ大仏も居られます。
ほぼ紅葉はそっちのけの内容になってしまいましたが、どうぞお許しください。
今年は11/4~12/8まで、特別夜間拝観があるようです。
紅葉のライトアップも行われます。是非!
文:建築家・村西弘至(2019年10月発行 IFA住宅設計通信73号より)
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秋も深まり、紅葉が美しい季節になってきましたね。
ギャラリーの前の桜並木やけやき通りなどの木々も色づき始め、どこかお出かけしたい気分になります。
さて、10月半ばに枚方T-SITEで開催した10人の建築家によるイベント・第10回建築家展は、好評の中、無事終えることができました。
建築家と気軽に話ができることが魅力のひとつでもある今回のイベント。
来場いただいたお客様にはゆっくり展示をご覧いただいたり、建築家から直接、設計した家の解説を聞いたり、家の悩みを相談いただいたり
中には物づくりに興味のある小学生のお子さんに見てもらいたくて、と家族で立ち寄ってくださった方もおられ、思い思いに「建築家との家づくり」を楽しんでいただくことができました。
ご来場いただいた皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。
今回のイベントにも参加いただいた建築家・村西先生による建築家エッセイ「金戒光明寺」。
IFA通信の紙面の都合上、泣く泣くカットになってしまったので、ブログにて全文掲載させていただきました。
記事編集のためエッセイを読んだとき、立派な山門の写真の次に目に飛び込んできたのは『アフロ大仏』!
楽しそうな愛称で親しまれるこの仏様は、正式には「五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏」といいます。通常の阿弥陀仏と違い、頭髪である螺髪(らほつ)がかぶさるような非常に大きな髪型が特徴です。
全国でも16体ほどしかなく、金戒光明寺にあるものは特にめずらしく石で彫刻された石仏。江戸時代中頃に制作されたものだそうです。
その人気にあやかり、金戒光明寺では「アフロ大仏こんぺいとう」というお土産もあるんだそう。早速、友達と見に行く約束をしました(笑)
アフロ大仏のインパクトについ忘れそうになってしまいましたが、特別拝観期間中は、日中に山門にも登ることができます。村西先生のエッセイに習い、建築もしっかり楽しんでこようと思います。
金戒光明寺は、平安神宮や京都市動物園のある岡崎エリアから、北西へ歩いて10分ほどの場所にあります。京都方面へお出かけの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
特別拝観:11/4(月)~12/8(日)
金戒光明寺へのアクセス、詳細についてはこちら>>金戒光明寺WEBサイト
アシスタント中井