2018年2月アメリカ洒海岸建築研修の旅。
訪れたのはカリフォルニア州ロサンゼルス、サンディエゴ、そしてやや内陸を向いてアリゾナ州のフェニックスです。
朝晩は冷えますが、この時期でも日中は温暖で半袖でも過ごせます。
特に眩い陽光に恵まれたカリフォルニアの気候は本当に快適で、佇む建築物の一つ一つがカリフォルニアらしくこの場に成立していることを納得させてくれます。
こうした体験は写真を見るだけでは解らない、建築が発するメッセージをダイレクトに受けるようで実に刺激的でした。
そんな旅で見てきた建築をすこしずつ紹介していきます。
まずはゲティ·センター
設計:リチャードマイヤー/1997年竣工 ロサンゼルス
石油で財を成したJ.P.ゲティが生前に収集した、膨大な量のアートコレクションを鑑賞できる芸術研究施設を兼ねた美術館です。
ゲートからまず専用のモノレールに乗って広大な敷地の丘上にあるメインエリアへかいます。
マイヤーは「白い」建築で有名ですが、コンコースも白、勿論モノレールも白。車中ではいやが上にも期待が高まります。
5分程で到着すると、そこはLAの街並みやその先の太平洋まで見渡せる、まるで丘の上の芸術都市であリました。
床にはイタリア産のトラバーチンが贅沢に敷き詰められ、矩形の美しい水盤と植栽で演出された中庭はさながらマイヤーが創造した理想郷。
石材が中心の建築なので、写真で見ると硬質で冷たい印象がありますが、温暖な気候と白い建築が見事に調和した実に快適な空間体験が待ち受けています。
駐車場のみ有料でその他は全て無料。
展示物の写真も取り放題。
こんな施設が近所にあったら毎週のように訪れたい!
鑑賞を終えて中庭で読書をしたり談笑したりと、思い思いに過ごす人たちがなんとも羨ましい。
西に沈む夕日を背に、満足感いっぱいで丘を下りました。
なぜグニャグニャなのだろうかと不思議に思っていたのですが、この壁に陽が当たるとグラデーションが生まれ、とても印象的な光景をもたらします。
建築表現の深さと、建築を介して改めてLAの陽光を意識するという 自己完結型建築との対話を愉しみました。
プロデューサー樋口