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隈研吾の雲の上シリーズ

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2024.09.19

こんにちは。現場管理の藤岡です。
こどもが夏休みということで高知県へかつおのたたきを食べに行ってきました。
カツオの旬は3月から5月、9月から11月と時期的に外れていましたが、それでもとても美味しかったです。

さて、高知県へ出向いたきっかけは、東京オリンピック会場である国立競技場をデザインした隈研吾氏の作品が梼原(ゆすはら)町内で6つも集まっているとのことで、一連の建築群を見たいという思いから計画し、今回実現しました。

中でも本命は2010年に建てられた「雲の上のギャラリー」という施設です。杉の集成材を幾重にも積層させるデザインで、両端から刎木(はねぎ:軒先をはね上げるように支える材)を何本も重ねながら持ち出して橋桁(はしげた)を乗せていく「刎橋(はねばし)」という日本古来の木造文化を応じた架構形式を採用しており、周りの景色や環境に建築物が溶け込みながらも、そのデザイン、技術において圧巻でした。

ギャラリーの中へ入ると、杉の香りが空間全体に広がり、集成材を組み重ねた内部空間には凄みすら感じました。

もともと併設していた「雲の上ホテル・レストラン(1994~2021年)」は閉鎖され取り壊されており、以前と同じく隈研吾氏の設計で建替えの計画が進行しているようです。様々な事情があるとは言え、短命に終わる建築を目の当たりにすると少し複雑な気分でした。

もう一つの作品、2018年に建てられた雲の上の図書館にも足を運びました。梼原産の木材を使用した建築で、外観は羽目板材を格子状に、かつランダムにデザインされておりました。

内部は森の中の町、梼原町にふさわしく、森の木々につつまれるような空間で、杉の集成材が木の枝のように表現されており、その間から光が木漏れ日のように降り注ぐ室内は、鉄と杉の混構造でつくられておりました。

メインの空間では、フラット階段に座りながら読書ができ、その他にもところどころにジオラマ展示や寝転がれる部屋があったりと、本に囲まれた落ち着きのある空間が広がっていました。

時間の関係で、全ての作品をじっくり見ることはできませんでしたが、また高知県へ出向いた際は、違う作品を見に行こうと思います。ご興味がある方はぜひ梼原町へ足を運んでみてください。

現場管理 藤岡

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