モダニズム建築の流れをくむ住宅を建てている私たちIFAでは、建築研究会と題して、建築家である交久瀬先生の案内で国内外の名建築を現地まで見に行き、実際にその空間を体験することで、勉強をつづけています。
そんな建築研究会に加えて、より建築家とその建築の魅力を深く知ろう!ということで、昨年より自分の好きな建築家について発表する、週に1回の「建築ゼミ」をはじめました。
神戸の大学にて建築デザインを学んだプロデューサー樋口の「ルイス・バラガン」からはじまり、「岸和朗」「吉田五十八」「石井修」「清家清」「前川國男」とまわって、室長菊井が選んだのは「アントニン・レーモンド」。
20世紀の巨匠のひとりであるフランク・ロイド・ライトに師事し、帝国ホテルの設計に携わるため来日しました。
戦後日本へ戻ってきたレーモンドは自身の事務所を立ち上げ、多くの作品をつくり、日本のモダニズム建築に大きな影響を与えました。
レーモンド事務所には、前川國男(建築家)、吉村順三(建築家)、ジョージナカシマ(家具デザイナー)など、後の日本の建築を引っ張っていく建築家が多く所属しています。
IFAでは2013年に軽井沢にある「夏の家」と「聖パウロカトリック教会」を見に行っています。
「夏の家」1933年
レーモンドの別荘兼夏のスタジオとしてつくられた夏の家。現在はペイネ美術館として利用されています。スロープや吹き抜けなどがあり、ル・コルビジェに強い影響を受けています。質素な素材で仕上げられたリビングルームは、三方を大きな引き戸が囲んでいて、風通しのいい明るい空間が作られています。
内部の撮影はできませんでしたが、ネットで検索をすると内観写真もいくつかでてきますので、興味のある方はぜひ見てみてください。
「聖パウロカトリック教会」1934年
傾斜の強い三角屋根、大きな尖塔、打ち放しのコンクリートが特徴の教会です。レーモンドの故郷チェコの伝統的な教会建築に影響を受けているそう。
内部は木がむき出しのエックス型のトラス構造になっています。柱には栗の木が使われ、太い柱が点に向かって組まれているため、力強い空間となっています。
もうあっという間に二順目後半です。
住み心地がよく、センスのいい住宅とはどんな住まいなのか、みんなで知識を深めながら探って行きたいと思います。