伊加賀西町の中庭式曲り屋
伊加賀西町の中庭式曲り屋
敷地は淀川の堤防沿い、周囲を土手と高架道路と巨大な擁壁に囲われた土地である。住宅建設後も、敷地の半分は引き続き砂や砂利の置き場として使用することが決まっていた。
計画にあたっての主な条件は、①いざという洪水に備えて居室の床を地面から1.5mの高さとすること、②ブルドーザーのある資材置き場や周辺道路の騒がしさから生活スペースを守ること、③大きな開口部のある開放感のある家とすること、であった。
これらを実現するために、住宅の各部を居室棟・土間棟・水周り棟の3つのブロックに分割した上で「曲り屋」のように連結し、擁壁とあわせて中庭を囲いこむ構成とした。高基礎で持ち上げられた居室と土間棟は中庭に向かって大きく開き、中庭は低く抑えられた水周り棟によって資材置き場から守られつつ空に開く。居室以外の部分は仮に浸水しても大丈夫なよう土間=「家の中の庭」として、敷地の内外と家の各部を繋ぐ役割を担っている。リビングから庭へ、庭から土間から2階へと、子どもたちが縦横に走り回ることのできる家である。
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